ー背中を見せる―

まぁ昔の話です。
小学校3年生の男の子が私の所属する
空手の会に入会しました。
しばらくしてその子のお母さんに
「ちょっとご相談があるのですが」
と言われて話を聞くことになりました。
相談内容はというと、
ようはその男の子が内弁慶で、
家の中ではかなりの暴れん坊に変貌するらしく、
特にお母さんの言う事は全く聞かず、
それどころか3年生と思えないような暴力?を働くというのです。
よほど困っていたのか途中からお母さんは泣き始めてしまいました (´;ω;`)ウゥゥ
特に個室ではない道場の入り口近くで話をしていたので、
なんか私がお母さんを泣かしたような構図になり、
その時はかなり焦りました (''Д'') チャウチャウ
そして最後にお母さんは
「空手をやれば直るでしょうか?」
と言い、そして、
「昔はそんな子じゃなかったんです」と付け足しました。
「あーそうか!」
私はこの一言でだいたいわかりました。
いや、断言してはいけませんが、
ピーンときたと言いますか、、、
赤ちゃんの時から子供は
当たり前ですが日々成長していきます。
そりゃあもう凄まじいスピードで身体も頭脳も成長していきます。
私も我が孫を見ているからわかります。
結構な頻度で会っているのですが、
2日前に出来なかった事が今日出来ている。
滑り台のロープを伝って昇るコースを
今では造作もなくやっている。
少し前までは慎重に一歩一歩確認しながら登っていたのに、、、
しゃべりのボキャブラリーもどんどん増えていく。
まだちょっと、「てんとう虫」と「ダンゴムシ」の違いは分かりにくいにせよ、
「ユーチューブ」ははっきりと発音できる。
おまけにYouTubeを見るためのリモコンも一緒に持ってこれる。
お気に入りは「ウルトラセブン」
シュワッチ!
ポーズもカッコいい。
孫の事はさておき、、、
先ほどの話に戻りますが、
おそらくお母さんはこの成長についていけないんだと思います。
昨日まで「お母さん!」と泣きながら後ろを追い掛けていた我が子。
可愛く笑いかけてくれた我が子。
日に何度もおむつを替え、
思うように食べてくれないご飯を苦労して食べさせ、
なかなか寝てくれない我が子に絵本を読んだり歌を歌ったりする。
お水はこぼす、ご飯は落とす、机には昇るで、
自分の中の何かを捨てなければやっていけない毎日。
熱が出るとあっという間に39度や40度。
眠い目をこすりながら5時間は経ったなと思いながら座薬を入れる。
そんなこんなで、
自分の時間のほとんどをわが子に捧げるお母さん。
大変です。
本当に大変です。
でも悲しいかなこのお母さんの苦労をほとんど理解せずにわが子は成長していく。
「ちっちゃい頃は毎日お母さんに世話になったしなぁ」
なんて言う小学生高学年や中学生男子はまずいないでしょう。
つまり無償の愛。ギブ&ギブ。
保育園、幼稚園、小学校。
外の世界を知った子供達はだんだんとお母さんどころではなくなります。
お母さんも共働きなどで子供との時間が少なくなっていく。
実は少しずつ、でも確実に子供はその成長のなかで親離れしていきます。
このことを理解しているお母さんは、
なかなかいないんじゃないでしょうか。
理屈ではわかっていても頭では理解できない。
いや、したくない。
だから急に全く言うことを聞かなくなり、
反抗するわが子が目の前に現れると
お母さんは何が何だか分からなくなる。
また例のイヤイヤ期だろう。
ちょっとした反抗期だろう。
そして、
「きっと私の愛情がまだ足りないんだ」って、
「またすぐ前のように慕ってくるはず」って、
今までよりももっと息子に愛情を注ごうとする。
すると息子は今まで以上に反抗する態度をとる。
それはそうです。
息子は距離を取ろうとしているのに、
母親がその分以上に寄って来る。
だから口も態度もますます悪くなって
母親を遠ざけようとする。
こうなるとお母さんはどうしていいかわからない。
あの可愛かったわが子はいったいどこに行ってしまったのか?
親の言う事を素直に聞いていたわが子は本当にこの子なのか?
精神を病んだのか?悪魔に憑りつかれたのか?
そしてつぶやく。
「昔はこんな子じゃなかったのに、、、」
私が男なのでわかるのですが、
ちっちゃい時は特に男の子はお母さんが大好きです。
それが、ある時を境にしてだんだんと疎ましく感じるようになるんです。
これは生物学的には自然な事らしいです。
小さい時は出来る事が少ないので誰かに助けてもらわないと生きていけません。
だから「ママ!ママ!」になります。
でも、大人になるまでずーとお母さんが好きなままだと、
冬彦さんになってしまう ( ̄▽ ̄) フユヒコ?
(誰?それ?と言う方は「ずっとあなたがすきだった」で検索)
あまりよろしくない事は想像して頂けると思います。
母親を一人の異性とみる事がないよう、
神様が男の子のDNAに仕組んだんでしょうね。
因みに女の子の場合も父親に対して同じことが言えると思います。
だから「くさい!」と言われるお父さん。
生物学的にそれは普通です。
あなたはホントは臭くない。
かどうかはわからないが、、、
「うざい!うるさい!うっとおしい!」と言われたお父さん。
生物学的に娘の成長を喜びましょう 😂
ちなみに先のお母さんに私がしたアドバイス。
「子供がこちらを向いている間は、子供と向かい合い子供の目をしっかり見て精一杯の愛情を与えてあげるのが正解です」
「でもこちらがいくら子供に向かっても子が目をそらすようになったら同じようにしてはダメです」
「それが親離れのタイミングです」
「ここから大事なのは子供との距離感です」
「そうなったら親は無理やりこちらを向かせるのではなく、むしろあなたが逆を向くようにしてみて下さい」
「今度はあなたが自分の背中を見せる子育てに移行していくんです」
「子供を叱るにふさわしい行動をとる」
「こんな大人になってほしいという姿を演じる」
「もしくは何かに夢中になっている姿を見せるのでもいいです」
「そしてたまに距離をとったまま子供を観る」
「必要ならアドバイスする」
子供が聞こえるところで誰かの悪口を言ったり、
仕事や家事やダンナの愚痴を言ったりすると、
すべて子供の心にインプットされます。
そんな親が叱ってきても、
子供にとっては説得力がない。
「まさか!」
「まだ子供ですよ」
こどもの能力を馬鹿にしていると痛い目に遭います。
子供は思っているよりも相当賢い。
本能で理解する力は大人をはるかに上回ると思います。
離れていくわが子を見るのは相当つらいことだと思います。
でも喜ばしい事でもあるのではないでしょうか。
子供を育てるとは親である自分を成長させる、
という事なのかもしれません。
「子供は親の言う通りにしない。親のやる通りにする。」
私の名言です、笑
そしてこれは子供だけではなく人間関係でもいえると思います。
相手を変えようとしても相手は変わりません。
無理に変えようと思うと逆効果になります。
この辺は武術と似てます。
こちらが強く押せば相手も強く押し返してきます。
無理やり引っ張れば相手も力一杯引いてきます。
睨めば相手はりきむし、
微笑めば相手の力が抜けます。
これは感情ではなく反応です。
つまり相手にどうしてほしいのかが理解出来ていれば、
こちらがどうすればよいかはわかりますよね。
「あいつはいつも口答えばかりする」って言うのは、
相手の反応なのです。
つまり、あなたが口答えさせるような事を言ってるわけです。
相手を変えたいのならまずはあなたが変わってみましょう!
親も、子供も、夫婦も、同僚も、友達も、
まずはそう思っているあなたから変わっては如何でしょうか。
もちろん簡単ではないですが、
少しずつなら変わることが出来ます。
私も必要に迫られやったことがありますから。
大丈夫です。
これらとはまた別のパターンですが、
子供の反抗を「力で抑える」と言うのがあります。
実際これはお父さんの役目でした。
時代は変わり今はお母さんがその役目を負っている場合が多い気がします。
特にシングルマザーと呼ばれるお母さん達は必然的にそうなってしまいます。
一人二役。
愛と罰。
飴と鞭。
仕方がない事とはいえ大変です。
可愛いわが子を叱るのは精神が消耗します。
すごくエネルギーが必要です。
親だって出来る事なら可愛いわが子を叱りたくない。
叱った後は「これでよかったのか?」と
自己嫌悪に陥ることもあるでしょう。
でも子供は苦労しているお母さんの背中を見ているので、
先のケースよりは反抗度がまだマシだと思います。
ちなみに、一度も反抗期のないような子供もいます。
私の知り合いにいます。
大家族や家族どおしの付き合いの多い環境だと、
比較的子供の反抗期はマシになるのかなと思います。
たとえばサザエさん家のタラちゃんには
恐らく反抗期は訪れないような気がします。
それ以前にカツオにも反抗期はないでしょう。
恐らく昔の日本ってそんなんだったのかなと思います。
まぁ、いろんな子供がいて、
いろんな親がいて家庭があって、
それで結局何が言いたいかと言うと、
やっぱり大人がまずは襟を正しましょうと言う事ですね。
お前が言うなの声が聞こえますが、、、
まぁ反面教師という手段も有効だと思います。
笑